層の定義
層
前層...位相空間X上の前層F
開集合 U ⊂ X に対し アーベル群 F(U)
開埋め込み V ⊂ U に対して アーベル群の準同型 ρUV:F(U)->F(V) .. 制限写像
ρUVの制限:
1. ρUU:F(U)->F(U) = 恒等写像
2. 3つの開集合 W⊂V⊂U に対し ρUW = ρVW.ρUV
ρUV(s) は s|V とも書く。
層 F
- 前層である
- s∈F(U)があるとして、 all i s|Vi = 0 -> s=0
- 各si∈F(Ui)に対して(si|Vi∩Vj = sj|Vi∩Vj) -> ∃s∈F(U)(s|Vi = si)
用語:
U上の切断 := F(U)の元
大域切断 := F(X)の元 ... Γ(X,F)と書く。
茎 ... x∈位相空間Xにおける茎Fx := lim_x∈U F(U)
層化 前層から層を構成する手続き
層の押し出し f_* F ... f: X -> Y , 位相空間 X,Y
f_* F(U⊂Y) := F(f^-1(U))
層の引き戻し f^-1 F ...
f^-1 F(V⊂X) := lim_f(V)⊂U F(U)
注: 必ずしも層にならないの層化の必要あり
環の層
F(U)が環
米田の補題
圏Cから(Sets)への関手Fがあるとする。
Cの対象Aを取る。
米田の補題
θ:Nat(H^A, F) -> F(A) がbijection
θ(η) := ηA(1_A)
証明:
主張1: θがinjection
ηは自然変換なので、f:A->Bとして
F(f).ηA = ηB.H^A(f)
が成り立つ。
H^A(f): hom(A,A)->hom(A,B)
ηB: hom(A,B) -> F(B)
なので、
ηB(f) = ηB(H^A(f)(1_A)) = ηB.H^A(f) (1_A) = F(f).ηA (1_A)
ηはηA(1_A)で完全に決まる
主張2:θがsurjective
任意のa ∈ F(A)に対して
aB*(f) := F(f)(a)とする。
g:B->Cとして
aC*(g.f) := F(g.f)(a)
F(g)(aB*(f)) = F(g)(F(f)(a)) = F(g.f)(a) = aC*(g.f) = aC*(H^A(g)(f))
よって
F(g).aB* = aC*.H^A(g)
よって、a*は自然変換 H^A -> F
ここで、θ(a*) = aA(1_A) = a
より、θはsurjecve
本当か。。
Z/12Z
Z/pZのイデアルの計算をしてみました。
https://gist.github.com/KatagiriSo/7a611bd9b9e25b4db13e77d4bbf84d9e
これを使ってZ/12Zのイデアルを求めてみると
[0],[0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11],[0,2,4,6,8,10],[0,3,6,9],[0,4,8],[0,6]
つまり
(0), Z/12Z, (2), (3), (4), (6)ということがわかります。
包含関係は
(0) ⊂ (6) ⊂ (3) ⊂ Z/12Z
(0) ⊂ (6) ⊂ (2) ⊂ Z/12Z
(0) ⊂ (4) ⊂ (2) ⊂ Z/12Z
つまり極大イデアルは(2),(3)
素イデアルは(0),(2),(3)
楽しい。。
(0)は素イデアルでないとの指摘がありました。
確かに3*4=12=0より、3もしくは4が(0)になっていないといけないのになっていないという判例がみつかる。。
Zとは違うのだなあ。
ゼロ因子
ゼロ因子とは、0自身の他に0でもないのに掛けたら0になってしまう詐欺のような元のことである。そういう詐欺をしない正しい元を正則な元と呼ぶ。
素イデアル
イデアルが元の環の積でかけている時は必ず、その積の少なくとも片方がそのイデアルの元になっているという性質を持つイデアルを素イデアルと呼ぶ。
つまり、環R、イデアルPとして、環Rの元a,bでab∈Pのとき、a∈Pかb∈PとなっていればPは素イデアル。
直感的に考えてみる。イデアルとはそもそも病原体のようなものだ、その積は必ず病がうつる。なので病になっている元が積に分解できるとしたとき、少なくともどちらか一方が病を持っているという状況は自然な気がする。
そういうものを素イデアルと呼んでいる。逆に、普通のイデアルだと、積にわけたときにどちらもそのイデアルに属しないという場合があるということで、こちらの方が不自然な気もする。
環Rの素イデアルのなす集合をSpec(R)と書く。今後良く出てくるはず。