超幻日記

素粒子、量子論、宇宙論のことを辺境にいる一人の視点から改めて眺めてみます。単なる勉強帳になるかも。。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

完全、可分(separable)

直交系をK={e_i}とする。 ヒルベルト空間の任意のベクトルψがKで展開できるときKを完全であるといい、e_iを基底と呼ぶ。 基底の数が有限であるとき、その個数MをM次元とよぶ。無限のとき、無限次元と呼ぶ。 完全な基底系を持たないヒルベルト空間は可分(Sepa…

演算子Aがヒルベルト空間のすべてのベクトルに対して期待値を持つとは限らないこと

調和振動子を例にあげる。 そのエネルギー固有値は Hu_n = Eν uν E_ν = (ν + 1/2) hω である。 このu_ν全体がヒルベルト空間Hの完全系を作る。 よって、ヒルベルト空間Hの任意のベクトルψがこれらの重ね合わせでかける。 ψ = Σν γν u_ν ここでエネルギー期待…

ヒルベルト空間の演算子

ヒルベルト空間Hの演算子Aは 定義域をD(A) 、値域をR(A)として φ = A ψ φ ∈ R(A) ψ ∈ D(A) と書く。 演算子が物理量であるとき 内積 <ψ, Aψ>は実数である必要がある。 演算子がエルミートであるとは <φ, Aψ> = <Aφ, ψ> が成立することである。 演算子がエルミートで</aφ,>…

ヒルベルト空間の内積の連続性

ヒルベルト空間の内積が連続であることを以下に示す。 そのためには、ヒルベルト空間の内積の有界性を示す必要がある。 そしてヒルベルト空間の内積の有界性を示すにはシュワルツの不等式を使う必要がある。 シュワルツの不等式とは|<Φ,ψ>| ≦ ||Φ|| ||ψ|| の…

直交補空間

ヒルベルト空間Hのベクトル達Sを考える。これらは部分空間であることは要請しない。 このベクトルと直交するようなHの元達を直交補空間と呼ぶ。 直交補空間は部分空間となっており、また閉じている(閉部分空間になっている。) 閉じているとは、直交補空間内…

コーシー列

コーシー列とはそれを時間発展をみなした場合に、無限大に時間を飛ばせば静止しているような力学系とみなせるものである。