超幻日記

素粒子、量子論、宇宙論のことを辺境にいる一人の視点から改めて眺めてみます。単なる勉強帳になるかも。。

完全、可分(separable)

直交系をK={e_i}とする。 ヒルベルト空間の任意のベクトルψがKで展開できるときKを完全であるといい、e_iを基底と呼ぶ。 基底の数が有限であるとき、その個数MをM次元とよぶ。無限のとき、無限次元と呼ぶ。 完全な基底系を持たないヒルベルト空間は可分(Sepa…

演算子Aがヒルベルト空間のすべてのベクトルに対して期待値を持つとは限らないこと

調和振動子を例にあげる。 そのエネルギー固有値は Hu_n = Eν uν E_ν = (ν + 1/2) hω である。 このu_ν全体がヒルベルト空間Hの完全系を作る。 よって、ヒルベルト空間Hの任意のベクトルψがこれらの重ね合わせでかける。 ψ = Σν γν u_ν ここでエネルギー期待…

ヒルベルト空間の演算子

ヒルベルト空間Hの演算子Aは 定義域をD(A) 、値域をR(A)として φ = A ψ φ ∈ R(A) ψ ∈ D(A) と書く。 演算子が物理量であるとき 内積 <ψ, Aψ>は実数である必要がある。 演算子がエルミートであるとは <φ, Aψ> = <Aφ, ψ> が成立することである。 演算子がエルミートで</aφ,>…

ヒルベルト空間の内積の連続性

ヒルベルト空間の内積が連続であることを以下に示す。 そのためには、ヒルベルト空間の内積の有界性を示す必要がある。 そしてヒルベルト空間の内積の有界性を示すにはシュワルツの不等式を使う必要がある。 シュワルツの不等式とは|<Φ,ψ>| ≦ ||Φ|| ||ψ|| の…

直交補空間

ヒルベルト空間Hのベクトル達Sを考える。これらは部分空間であることは要請しない。 このベクトルと直交するようなHの元達を直交補空間と呼ぶ。 直交補空間は部分空間となっており、また閉じている(閉部分空間になっている。) 閉じているとは、直交補空間内…

コーシー列

コーシー列とはそれを時間発展をみなした場合に、無限大に時間を飛ばせば静止しているような力学系とみなせるものである。

Towards the Theory of Reheating After Inflation

Kofman, Linde, Starobinskyの論文を読んでみようかというきになっている。 https://arxiv.org/pdf/hep-ph/9704452.pdfとりあえず、Abstractを読んでみた。以下は機械翻訳を整形したの。 インフレーション後の再加熱は、振動するインフレトン場による粒子の…

ランダウの量子力学

WEBで読める。 Quantum Mechanics : L.D. Landau &amp; E.M. Lifshitz : Free Download &amp; Streaming : Internet Archive 434ページあたりから磁場が書いてある。 読めそうなら。

エベレット論文の意訳 第3回 孤立系の内部における量子力学

この記事はHugh Everett,IIIの書いた多世界解釈についての原論文"Relative State" Formulation of Quantum Mechanicsについて書いています。投稿された雑誌はReview of Modern Physics Volume29,454です。多世界解釈は量子力学の解釈の一つであり、宇宙論な…

エベレット論文の意訳 第2回 通常の量子力学-外部観測者形式の適応領域

この記事はHugh Everett,IIIの書いた多世界解釈についての原論文"Relative State" Formulation of Quantum Mechanicsについて書いています。投稿された雑誌はReview of Modern Physics Volume29,454です。 第2章 通常の量子力学-外部観測者形式の適応領域 …

エベレット論文の意訳 第1回

この記事はHugh Everett,IIIの書いた多世界解釈についての原論文"Relative State" Formulation of Quantum Mechanicsについて書いています。投稿された雑誌はReview of Modern Physics Volume29,454です。多世界解釈は量子力学の解釈の一つであり、宇宙論な…

複素数

x+iyは複素共役とかけるとx^2+y^2で必ず正になる。 2つの自由度で一つの絶対値を記述すると考えると余分な自由度が一つ残る。 これをうまく使うことことで物理は進歩した。

ブログネタ

Rodhos Softのblogネタを回想します。最近ネタを思いつきません..。最近はひたすら人工知能後の世界について考えていたのですが巷にそういった類の議論が溢れているのであまり面白みを感じられなくなりつつあります。気ままに車輪の再発明を続けていきたい…

書き物

Rodhos Softのブログをリポジトリ代わりにPDFを置いています。 Rodhos Softの書き物 書き物 | Rodhos 内容解説 「Bub 2.5 Locality and separability」はベルの定理を定理における非局所性を深く分析したBubの教科書の内容紹介で公開しておくのは少し価値が…

環と加群のホモロジー的代数理論

環と加群のホモロジー的代数理論の構成を図にしてみました。また読むのを再開したいです。

繰り込み群とε展開

G.WILSONとJ.KOGUTの「THE RENORMALIZATION GROUP AND THE ε-EXPANSION」(https://pdfs.semanticscholar.org/e372/a0dc3053d0630788bc778dbffd6b4ea5d34b.pdf) を少し訳してみた。 イントロダクション 本稿の目的は、近年の繰り込み群の研究とその臨界現象と…

ジャルジンスキ等式

ジャルジンスキ等式の原論文「A nonequilibrium equality for free energy differences」を 機械翻訳を援用して一部を訳してみる。[cond-mat/9610209] A nonequilibrium equality for free energy differences アブストラクト ある配位から他の配位へパラメ…

自己エントロピーとはなんだろうか。

自己エントロピーとはなんだろうと漠然と考えていました。エントロピーというのは自己エントロピーの平均値です。そして確率(P)は自己エントロピー(I)と対数で関係します。I = -log P。これはP = e^-Iとも書けます。 つまり、自己エントロピーは高いと確率が…

くりこみ理論

「A hint of renormalization」Bertrand Delamotte (arXiv:hep-th/0212049) の一部を機械翻訳を使いつつ訳してみました。各小節はこちらが勝手につけました。 序文 Betheによるくりこみ Hans Betheは、1947年の精密な論文の中で、水素原子の2sと2pレベルの間…

三角行列

上3角行列は左下がすべて0な行列。下3角行列は右上がすべて0な行列。性質 1. 三角行列Aの行列式detAは対角成分の積に等しい。(行列式の定義よりわかる。) 2. 三角行列Aの固有値は対角成分に等しい。(行列式と固有値の定義よりわかる。) 3. 上三角行列同…

可換環の極大イデアル、素イデアル

以下は可換環のこと 定義 極大イデアル 極大イデアルは、非自明なイデアルの包含関係において極大のもの。 定理1 極大イデアルであることはその剰余環が非自明なイデアルをもたないこと 定義 体 非自明なイデアルをもたない環 定理2 極大イデアルの剰余環が…

層の定義

層 前層...位相空間X上の前層F 開集合 U ⊂ X に対し アーベル群 F(U) 開埋め込み V ⊂ U に対して アーベル群の準同型 ρUV:F(U)->F(V) .. 制限写像 ρUVの制限: 1. ρUU:F(U)->F(U) = 恒等写像 2. 3つの開集合 W⊂V⊂U に対し ρUW = ρVW.ρUV ρUV(s) は s|V とも…

米田の補題

圏Cから(Sets)への関手Fがあるとする。 Cの対象Aを取る。米田の補題 θ:Nat(H^A, F) -> F(A) がbijection θ(η) := ηA(1_A)証明:主張1: θがinjectionηは自然変換なので、f:A->BとしてF(f).ηA = ηB.H^A(f)が成り立つ。H^A(f): hom(A,A)->hom(A,B) ηB: hom(A,B) …

Z/12Z

Z/pZのイデアルの計算をしてみました。 https://gist.github.com/KatagiriSo/7a611bd9b9e25b4db13e77d4bbf84d9eこれを使ってZ/12Zのイデアルを求めてみると [0],[0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11],[0,2,4,6,8,10],[0,3,6,9],[0,4,8],[0,6] つまり (0), Z/12Z, (2)…

環のスペクトル

環のスペクトル - Wikipedia 環の素イデアルの集合を環のスペクトルと呼ぶ。環RとしてSpec(R)と書く。Spec(R)にはザリスキ位相を入れることができる。素イデアルは部分多様体のような役割になり、一方で極大イデアルが点の役割を果たすようになるらしい。

昇鎖条件と降鎖条件

昇鎖条件 - Wikipedia大小関係の列があったとして(詳しく言うと半順序集合)、大なりがどこかで止まる列を昇鎖条件を満たすという。 反対に下がっていくほうがどこかで止まるのが降鎖条件。ネーター環というのはイデアルの包含関係が昇鎖条件を満たしているも…

単純環

単純環 - Wikipedia自明なイデアル(つまり0と環自身)しかイデアルがないような環のこと。ようするに面白いイデアルのないシンプルな構造の環になっている。もう少し何が言えるのかは今後。

真のイデアル

イデアル (環論) - Wikipedia イデアル [物理のかぎしっぽ] イデアルというと環自身がそのままでイデアルの一つであるが、そういうイデアルでないイデアルを真のイデアルと呼ぶことがある。さらにいうと、0と環そのものという二つを自明なイデアルと呼んで…

ゼロ因子

零因子 - Wikipediaゼロ因子とは、0自身の他に0でもないのに掛けたら0になってしまう詐欺のような元のことである。そういう詐欺をしない正しい元を正則な元と呼ぶ。

剰余環  環はイデアルで割れる

剰余環 - Wikipedia商環ともいう。環はイデアル分を足しても同値とみなす同値類によって類別されて、 つまり、 a〜bをb-a∈Iとして、[a] = a + I というような元をつくる。[a] + [b] = [a + b] みたいな自然な感じに演算が定義できて環になっている。いわば、…