超幻日記

素粒子、量子論、宇宙論のことを辺境にいる一人の視点から改めて眺めてみます。単なる勉強帳になるかも。。

Z/12Z

Z/pZのイデアルの計算をしてみました。
https://gist.github.com/KatagiriSo/7a611bd9b9e25b4db13e77d4bbf84d9e

これを使ってZ/12Zのイデアルを求めてみると
[0],[0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11],[0,2,4,6,8,10],[0,3,6,9],[0,4,8],[0,6]
つまり
(0), Z/12Z, (2), (3), (4), (6)ということがわかります。

包含関係は
(0) ⊂ (6) ⊂ (3) ⊂ Z/12Z
(0) ⊂ (6) ⊂ (2) ⊂ Z/12Z
(0) ⊂ (4) ⊂ (2) ⊂ Z/12Z

つまり極大イデアルは(2),(3)
イデアルは(0),(2),(3)

楽しい。。

(0)は素イデアルでないとの指摘がありました。
確かに3*4=12=0より、3もしくは4が(0)になっていないといけないのになっていないという判例がみつかる。。
Zとは違うのだなあ。

昇鎖条件と降鎖条件

昇鎖条件 - Wikipedia

大小関係の列があったとして(詳しく言うと半順序集合)、大なりがどこかで止まる列を昇鎖条件を満たすという。
反対に下がっていくほうがどこかで止まるのが降鎖条件。

ネーター環というのはイデアルの包含関係が昇鎖条件を満たしているもので、
アルティン環は逆に降鎖条件の方を満たすものをいうらしい。



ネーター環 - Wikipedia
アルティン環 - Wikipedia

真のイデアル

イデアル (環論) - Wikipedia
イデアル [物理のかぎしっぽ]



イデアルというと環自身がそのままでイデアルの一つであるが、そういうイデアルでないイデアルを真のイデアルと呼ぶことがある。

さらにいうと、0と環そのものという二つを自明なイデアルと呼んで、そういうイデアルでないイデアルを純イデアルと呼ぶことがある。


極大イデアルはどんな真のイデアルにも含まれないものといえる。

剰余環  環はイデアルで割れる

剰余環 - Wikipedia

商環ともいう。環はイデアル分を足しても同値とみなす同値類によって類別されて、
つまり、
a〜bをb-a∈Iとして、[a] = a + I というような元をつくる。[a] + [b] = [a + b] みたいな自然な感じに演算が定義できて環になっている。

いわば、環の中のイデアルをI=0につぶしたものともいえる。

ちなみに
割るイデアルが極大イデアルだと体になる(剰余体という)。
割るイデアルが素イデアルだと整域になる。つまり剰余環にゼロ因子がない。

素イデアル

素イデアル - Wikipedia

イデアルが元の環の積でかけている時は必ず、その積の少なくとも片方がそのイデアルの元になっているという性質を持つイデアルを素イデアルと呼ぶ。

つまり、環R、イデアルPとして、環Rの元a,bでab∈Pのとき、a∈Pかb∈PとなっていればPは素イデアル

直感的に考えてみる。イデアルとはそもそも病原体のようなものだ、その積は必ず病がうつる。なので病になっている元が積に分解できるとしたとき、少なくともどちらか一方が病を持っているという状況は自然な気がする。
そういうものを素イデアルと呼んでいる。逆に、普通のイデアルだと、積にわけたときにどちらもそのイデアルに属しないという場合があるということで、こちらの方が不自然な気もする。


環Rの素イデアルのなす集合をSpec(R)と書く。今後良く出てくるはず。

極大イデアル

極大イデアル - Wikipedia


イデアルは集合として包含関係をつけていくことができる。その包含関係の極大のものを極大イデアルという。当然、環について極大イデアル複数あって良い。
逆にいえば極大イデアルが一個しかない環は特殊であって、そのような環は局所環と呼ばれる。

単項イデアル整域

単項イデアル整域 - Wikipedia

整域なんだけど、つまりゼロ因子を持たない環なんだけど、それに加えてその環のイデアルがどれも単項イデアルになるような環。主環、主イデアル整域、principal ideal domain、PIDとも呼ばれる。

単項イデアル整域つまりPIDであると何が嬉しいかというとネーター環になってくれるし、一意分解環(UFD)にもなってくれるところ。
ネーター環になってくれるというのはある主の有限性をもつということだし、一意分解環はその名の通り一意分解と関係する。そういうのが嬉しい。詳しくはどこかで。

整域

整域 - Wikipedia

0以外に0因子を持たない可換環。ちなみに{0}(自明環)はだめとする。

割る(整除する)ことができるようになる。

a,b∈Rが、ax=b、x∈Rのとき、a|bとかく。

a|1のとき、aを単元と呼ぶ。
a|bでb|aならa,bは同伴と呼ぶ。

あと既約元と素元という概念があるらしい。

イデアルの生成

環Rの部分集合をXとする。
今簡単のためX={x1,x2}とする。
このXによって生成する左イデアル
{r1x1+r2x2|r1,r2∈R}

同様にXによって生成する右イデアル、両側イデアルも定義できる。

単項イデアル(主イデアル)

Xが一個だけX={x}で生成されるイデアル

(x)と書いたりする。

イデアル

イデアル (環論) - Wikipedia


環Rの部分集合Iがイデアルとは

r∈R
i∈I

ri = i'

となるi'∈Iがある。

ここでは左イデアルで説明した。両側イデアルを単にイデアルと呼ぶ。



環が0と自身以外にイデアルを持たないとき、つまり自明なイデアルしか持たない時、その環を体と呼ぶ。

環が0と自身以外に両側イデアルを持たないとき、その環を単純環と呼ぶ。(左イデアルとかはあってよし)

開集合の基(base)

基底 (位相空間論) - Wikipedia


位相空間(X,O)
位相Oの任意の開集合o∈Oが、
その合併で書けるようなXの部分集合族B

つまり、
適当に一個とってくるo∈O
それはいくつかのb1,b2,..∈Bでo=∪ibiと書ける。

Bは位相Oを生成するという。

baseは一意には決まらない。