超幻日記

素粒子、量子論、宇宙論のことを辺境にいる一人の視点から改めて眺めてみます。単なる勉強帳になるかも。。

書き物

Rodhos Softのブログをリポジトリ代わりにPDFを置いています。


Rodhos Softの書き物
書き物 | Rodhos

内容解説

「Bub 2.5 Locality and separability」はベルの定理を定理における非局所性を深く分析したBubの教科書の内容紹介で公開しておくのは少し価値があるかも。
Bub 2.5 Locality and separability


分析哲学の勃興とグルーのパラドックス」はグルーのパラドックスを階段関数で書けば明確に議論できるのではないかという試作。
分析哲学の勃興とグルーのパラドックス


圏論スケッチ」は絵本のように圏論を理解できることを目指したもの。
圏論スケッチ


誰かが読んで面白がってくれれば幸いです。

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環と加群のホモロジー的代数理論

環と加群ホモロジー的代数理論の構成を図にしてみました。また読むのを再開したいです。

f:id:KatagiriSo:20170603102338p:plain

繰り込み群とε展開

G.WILSONとJ.KOGUTの「THE RENORMALIZATION GROUP AND THE ε-EXPANSION」(https://pdfs.semanticscholar.org/e372/a0dc3053d0630788bc778dbffd6b4ea5d34b.pdf)
を少し訳してみた。

イントロダクション

本稿の目的は、近年の繰り込み群の研究とその臨界現象と場の理論への応用を議論することです。これらのアイデアは、4-ε空間(場の理論の場合、時空の次元が4-ε)の臨界現象と場の理論で定義し、eのべき乗で展開するという最近の他のアイデアを用いて説明されます。本稿で強調したいことは臨界現象に関してです。特殊な結果ではなく基本的なアイデアを強調するつもりです。


内容は不完全です。このレビューは現在の文献に代わるものではありません。最初の節は一般的で哲学的なものです。後続の節のほとんどはより実用的で、計算の具体的な問題に関することになっています。この節に関連して繰り込み群とε展開についての最近の文献リストがあります。この論文で議論しているトピックの正確な目録に関してはそれらの文献をお読み下さい。

物理における繰り込み群とコヒーレント問題

この節では繰り込み群の哲学的な議論を行います。(このイントロダクションはこの論文の残りを学んだ後に再読すべきです。)最初の節の最後に向けて、臨界現象のレビューを開始します。


繰り込み群は物理の最も困難な問題の幾つかに対処する方法の一つです。そこには相対論的場の理論、臨界現象、近藤効果([1]-[7])等が含まれます。これらは本質的に大きな自由度をともなうことによって特徴づけられています。


物理で扱う問題のほとんどは非常に大きな自由度を含んでいます。例として、マクロスコピックな量での結晶、液体、気体は10の23乗個以上の電子を含み、各電子の座標が自由度になります。


対照的に、殆どの理論的方法は一つの独立変数すなわち一つの自由度のみを持つときにのみうまくいきます。例えば1電子の波動関数ψ(x,y,z)についてのシュレディンガー方程式を考えましょう。シュレディンガー方程式において変数分離ができる場合、ψを計算することは非常に簡単です。(例えば球面座標ψ=ψ1(r)ψ2(θ)ψ3(Φ)。)正当化されているかに関わらず並外れた単純化なしに10^23個の電子の波動関数を計算することは明らかに望みがありません。


通常の環境の元では10^23程の自由度は大幅に減らすことができる可能性があります。


観測量の示量的、示強的特徴(エネルギーは示量的、密度は示強的)はマクロスコピックな系の性質を再構成することを許します。従って、たった1000個のみの原子による液体は、おそらく、10^23個の原子を持つ(同一の温度と圧力を持つ)液体と同じ単位体積と密度あたりほぼ同じのエネルギーをもつことになるでしょう。


定性的な性質を変えることなく気体のサイズをどれだけ減らすことができるのでしょうか。定性的な性質を変えることなく到達できる最小のサイズは相関長と呼ばれます。相関長ξは系の状態に依存します。気体に対してはξは圧力と温度に依存します。都合の良い状況においてξは原子間隔の1,2倍のみになります。ξが小さい時は、系の性質を計算する様々な手法が存在します。(ビリアル展開、摂動展開、ハートリー・フォック手法等。)これらの手法は様々な近似を含みますが皆一つの共通点があります。それは、バルクの物質の性質は原子の小さなクラスターの性質と関係付けることができるという仮定をおいていることです。3つの原子からなるクラスターですら並外れた単純化なしに解くには自由度が多すぎるという理由から、これらの手法をさらなる仮定を含みます。


特別なケースとして、相関長が原子間隔より非常に大きいときがあります。相転移が始まることを示す臨界点が主要な例です。液体-気体相転移強磁性相転移、合金の秩序-無秩序相転移等。すべての臨界点は熱力学的変数の特別な値を持ちます。(液体-気体臨界点は温度Tc,圧力Pcの臨界値を持ちます。)正確には、相関長は臨界点で無限大で、臨界点の近くで大きな値を持ちます。


相関長の特定のサイズに対応する領域において、非常に多くの自由度を持つことで特徴づけられるような問題の一群があります。臨界現象もその一つです。"非常に多くの”とは3や4と言った数ではなく、無限ではないしても数百や数百万を意味します。この一群の問題において臨界現象以外の問題として近藤問題(金属の磁性不純物)、大きな分子の結合、相対論的量子場の主題のすべてがあります。


量子場φ(x)において、各点xでの場φは分離した自由度です。よって有限なサイズのどの領域にも無限個の自由度が含まれます。量子場の相関長は通常もっとも軽い質量の粒子のコンプトン波長です。
量子電磁気学の場合、実際の相関長として働くのは光子のコンプトン波長(∞)よりむしろ電子のコンプトン波長(10^-11cm)です。比較的かんたんに10^-11cm以上のサイズの箱の中の量子電磁気学を全空間における量子電磁気学と関係づけることができます。10^-11cmよりずっと小さい箱は電子と光子の相互作用の大きな歪みを引き起こします。


上記で並べた問題はみな非妥協的、かたくなな問題として知られています。分子の結合は今日では1932年よりは非常によく理解されています。70年代末に、臨界現象における突発的な進歩がありました。量子電磁気学を「計算」することにはセンセーショナルな進展はありましたが、それを理解することについての進展は非常に限られていました。そして、強い相互作用は計算することも理解することもできませんでした。近藤問題は最近研究されたばかりで、解決に近い可能性があります([2,3,7])。


量子場における繰り込み統計力学における臨界現象の研究は両方とも一つの相関長をもつ多自由度の系の振る舞いは一つの相関長を持つ少数自由度のみを持つ系とは質的に異なることを示唆しています。私達が興味のある系は通常、ハミルトニアンで定義されており、通常、系の振る舞いは主にハミルトニアンで表現される相互作用のタイプと結合定数の強さで主に決定されます。これは相関長が小さい時は確かです。しかし、ここで議論する多くの自由度が協調的に振る舞うような問題においては、系の振る舞いは主に協調的な振る舞いが存在することによって、加えてそれら自身の自由度の自然性によって決定されます。相互作用ハミルトニアンは二次的な役割しか持ちません。したがって、臨界現象においては、普遍性という概念が生まれています。すなわち、普遍性においてはすべての相互作用ハミルトニアンが同一の臨界的振る舞いを示します。普遍性のアイデアは"対応状態の法則(law of corresponding states)"において生まれました。これはすべての流体と気体は長さとエネルギースケールのくりこみをのぞいて同一の状態方程式を持つという仮定です。この法則の比較的最近の文献はGuggenheim[8]を参照下さい。最近、普遍性のアイデアはより一般的に任意の相互作用をもつ様々な系での臨界の振る舞いを関係づけるように定式化されました。例としてKandanoff[9]を参照下さい。普遍性は以下でさらにそして12節でも議論することになります。

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ジャルジンスキ等式

ジャルジンスキ等式の原論文「A nonequilibrium equality for free energy differences」を
機械翻訳を援用して一部を訳してみる。

[cond-mat/9610209] A nonequilibrium equality for free energy differences

アブストラクト

ある配位から他の配位へパラメトリックに切り替える仕事の有限時間測定のアンサンブルの観点から、システムの2つの配位間の古典的自由エネルギー差についての式が導き出される。
2つのよく知られた平衡系の恒等式が、この結果の限定的なケースとして出てくる。

本文

熱浴と接触している有限の古典系を考える。 熱力学の中心的概念は、システムのいくつかの外部パラメータが時間とともに変化するようなシステムで行われる仕事の概念である。
(これらのパラメータは、例えば、外場の強度、またはシステムが閉じ込められている空間の体積、またはより抽象的に分子力学シュミレーションの過程でオンまたはオフにされるある粒子 - 粒子相互作用等)。

パラメータが初期点Aからパラメータ空間内の最終点Bまでのある経路γに沿って無限にゆっくりと変化すると、システム上で実行される全仕事Wは初期配位と最終配位との間のヘルムホルツ自由エネルギー差ΔFに等しい (ランダウ-リフシッツの教科書参照):

W =ΔF≡F_B - F_A

対照的に、パラメータが有限の速度でγに沿って切り換えられる場合、Wはシステムおよび熱浴の微視的初期条件に依存し、その平均はΔFを超えることになる:


{ \displaystyle
\bar{W} \geq ΔF (1)
}


ここと以下で述べる式2において、上についているバーは、Wの測定値のアンサンブル全体の平均値を示し、各測定は、最初にAにおけるパラメータを固定して温度Tでシステムと熱浴を平衡させた後に行われる。 (AからBまでの経路γ、およびこの経路に沿ってパラメータが切り替えられる速度は、ある測定値から次の測定値まで変化しない)。 差\bar{W}-ΔFは、ちょうど、散逸された仕事W_dissであり、不可逆プロセス中のエントロピーの増加に関連している。


式1は不等式である。 対照的に、この論文で得られた新しい結果は、次のような等式である。

\overline{\exp{-\beta W}} = \exp{-\beta \Delta F}  (2a)

または同等に

\Delta F = - \beta^{-1} \ln \overline{\exp{-\beta W}}  (2b)

ここで、β≡1 / kBTである。

この結果は上記で記述される非平衡(有限時間)測定のアンサンブルから平衡情報(自由エネルギー差ΔF)を抽出することを可能にする。そして、AからBへの経路γと、 パスに沿ってパラメータが切り替わる速度に独立である。

自己エントロピーとはなんだろうか。

自己エントロピーとはなんだろうと漠然と考えていました。

エントロピーというのは自己エントロピーの平均値です。そして確率(P)は自己エントロピー(I)と対数で関係します。I = -log P。これはP = e^-Iとも書けます。
つまり、自己エントロピーは高いと確率が低くなります。

もし、N本中nの当たりくじがあるおみくじがあると、当たる確率はP(当たる)=n/Nなので、自己エントロピーはI = -log(n/N) = log N - log n です。

必ず当たるくじの自己エントロピーは0になり、N本中1本しか当たらないくじの自己エントロピーはlogNになります。

ここで I(n) = -log(n/N)と書くことにすると

I(n) = logN - log n
です。

式変形してやると

n = (1/N) e^-I(n)

という関係式が得られました。これは何を意味しているのでしょうか。

くりこみ理論

「A hint of renormalization」Bertrand Delamotte (arXiv:hep-th/0212049)
の一部を機械翻訳を使いつつ訳してみました。各小節はこちらが勝手につけました。

序文

Betheによるくりこみ

Hans Betheは、1947年の精密な論文の中で、水素原子の2sと2pレベルの間のラムシフトと呼ばれるエネルギーギャップを最初に計算しました。そして、相対論的訂正を含むDiracの理論においてさえ、これらのレベルは縮退していることが判明しました。何人か著者は、シフトの起源は電子とそれ自身の放射線場(およびクーロン場だけでなく)との相互作用であり得ることを示唆していました。Betheは「このシフトは既存の理論すべてで無限に出てきており、常に無視されているものです。」という言葉を残しています。Betheの計算は有限で正確な結果をもたらす最初のものでした。ここから最近の摂動的な意味でいうところのくりこみが生まれました。

発散の起源は相対論にある

それ以来くりこみは(ほぼ)全ての量子場理論(QFT)摂動理論の各順序で現れる無限を取り除くための一般的なアルゴリズムに発展しました。
その間にこれらの発散の物理的起源についても説明も行われました(くりこみとくりこみ群の歴史と哲学に関する多くの興味深い貢献については参考文献8を参照)。

QFTでは通常の量子力学のように物理的プロセスの摂動計算において各順序で(仮想)中間状態にわたる総和を計算します。しかし理論がローレンツ不変であればガリレイ不変の場合に比べて無限の補足的な状態が存在し、その総和は一般に発散的で無限大を生み出します。

量子論と相対論を組み合わせるとコンプトン波長という長さのスケールが出現する

これらの「新しい」状態の起源は、量子力学と特殊相対性理力に深く根ざしています。これらの2つの理論を組み合わせると、コンプトン波長h/2πmcという粒子の質量mから構築された新しい長さスケールが現れます。h= 0とc =∞という形式的な極限の両方で消滅し、古典理論とガリレオ理論にそれぞれ対応しています。

粒子の生成消滅

ハイゼンベルクの不等式のため、プロービング距離の長さスケールよりも小さいものは、mc^2よりも高いエネルギーを必要とし、したがって粒子の生成を意味します。粒子を作成して消滅させるこの可能性は、作成されたばかりの粒子が元の粒子と厳密に同一であるため、元の粒子の位置をコンプトン波の長さよりも良好に定めることを禁止します。

無限の起源は仮想状態として多粒子状態が発生すること。

量子力学的には、これらの多粒子状態は、研究中のプロセスに関わるエネルギーがmc^2よりも低い場合でも、摂動理論の仮想状態として合計されるため、役割を果たす。したがって、QFTにおける摂動論の発散は、その記述が多粒子状態の無限を含むので、非常に非自明な短距離構造に直接結びついています。

無限との格闘

これらの発散を取り除くことは、素粒子物理学で働く多くの物理学者にとっての悪夢であり喜びでもありました。 量子力学相対性理論、電気力学などの事前知識が必要だったため、非専門家にはくりこみを理解することは絶望的でした。
このような状況は、問題の壮大さを醸し出しました。物質の究極の構成要素を研究することと、理解不能であることとは、お互いよくフィットしました。

ウィルソンによるくりこみの理解。くりこみは量子論とも相対論とも関係がなかった。

しかし、不思議なことに(少なくとも一見)、アルゴリズムの面を超えたくりこみの理解における理論的なブレークスルーは、ウィルソンの連続相転移に関する研究から来ました。これらの遷移で起こる現象は、量子力学的でも相対論的でもありませんでした。そして何よりその協調的行動、つまり遠距離での性質による非自明さでした。

 したがって、くりこみにはhとcのいずれも必要ではなかく、他の何かが働いていたのでした。それは量子力学も相対論も仮想状態の足し上げも、コンプトン波長他も要求とはしないものでした。これらは単に素粒子物理学の文脈では、くりこみを必要とさせたものではあったというだけでした。

実際、QFTの主要な問題であると思われる発散も、今日では量子場理論を解釈した方法の副産物としか考えられていません。

くりこみ群

我々は、今日では、協調現象が起こるような(より正確にはコヒーレントにゆらぎが増していくような)エネルギー(ないし長さ)のスケールにおける領域の理論群の中の存在としてこの見えざる手が存在していることを知っています。この見えざる手がある理論においては発散を作り出します。

場合によっては、私たちが頼りにしている物理的なイメージを不安定にする可能性があり、これは発散として現れます。

くりこみ、さらにはくりこみ群は、これらのゆらぎを扱う正しい方法です。

この論文の目標

この記事の目的の1つは、何が場の理論に特有なことで、何がくりこみの過程に本質なことなのかを解明することです。

したがって、我々は発散を示す物理モデルを得ようとはせず、物理モデルを特定することなく、摂動的くりこみの一般的なメカニズムとくりこみ群を示したいと思います。

以下では、仮定として、自由パラメータを一つだけ含む不特定の理論を考えます。そのもとである物理量を表す関数F(x)は摂動的つまりべき級数として計算されます。

QFTの一つの例は、電子などの荷電粒子と電磁場との相互作用を説明する量子電気力学(QED)です。高エネルギープロセスでは、電子の質量は無視できるものであり、このエネルギー領域におけるこの理論の唯一のパラメータは電荷であり、したがってg0のアナロジーになります。

よってFは散乱過程の断面積を表現することができます。例として、重い核子上の電子の散乱のようなものを考えることができます。そこではxは電子のエネルギー運動量4元ベクトルになります。

結合定数g0は、システムのハミルトニアンによって定義され、Fは、通常の( Feynmanによる)アプローチを用いて摂動的に計算されます。

別の重要な例は、連続的な相転移です。流体の場合、Fは密度 - 密度相関関数を表し、磁気はスピン - スピン相関関数を表すことができます。

 さらに別の例は、ある物理的な状況で発生し、発散を示すことができる微分方程式の解法です。

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三角行列

上3角行列は左下がすべて0な行列。下3角行列は右上がすべて0な行列。

性質
1. 三角行列Aの行列式detAは対角成分の積に等しい。(行列式の定義よりわかる。)
2. 三角行列Aの固有値は対角成分に等しい。(行列式固有値の定義よりわかる。)
3. 上三角行列同士の積は上三角行列、正則な場合逆行列も上三角行列
4. 下(略)

三角化

正則行列Pを使って正方行列AがP^-1 A P で三角行列になる場合、これを三角化と呼ぶ。

Aの固有値(λ1,..λn)としてAは適当なユニタリ行列UによってU^-1 A U で対角成分が固有値になるような三角行列に三角化できる。

手続き1

1. λ1の固有ベクトルをu1とする。

2. 正規直交基底としてu1,u2,..,unを取り、
U1 = (u1,..,un)
を作る。

3. Aを相似変換する。
U1^-1 A U1 = U1^-1 A (u1,...,un) = U1^-1 (λ1u1,Au2,...,Aun) = (λ1e1,U1^-1Au2,...,U1^-1Aun)

ここでe1は(1,0,..,0)の縦行列。

これで第1行はできた。次に第1行と第1列をはずした行列に対して固有値λ2に対して同様のことを行う。ということを繰り返す。




参考
http://next1.msi.sk.shibaura-it.ac.jp/SHIBAURA/2011-2/linalg2exe/lecture12.pdf

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